KeiRalph

ある人質 生還までの398日のKeiRalphのレビュー・感想・評価

ある人質 生還までの398日(2019年製作の映画)
3.8
内容は単純、中東でイスラム国に拉致されたルーマニア人が解放されるまでの事実に基づくフィクション!以上です!

…と、3行で終わらせるには余りにも残酷極まりない人道無視な拘束の数々!事実上イスラム国は殲滅した事になってはおりますが、当時の人質達がどんな酷い目にあったのか、そして人の命と国家の大義はどちらが重いのか?を見届けておく為には必要な作品でした。

主人公のダニエルの拉致中のみるみる痩せ細っていくビジュアルも去ることながら、拉致された人々の常にそこにある恐怖感などリアリティが凄かった。そして、もう1人の主人公であるアメリカ人ジェームズの、あの緊張感の中でもユーモアを忘れず、生きて帰ることを鼓舞する発揮する姿勢。それは世界のリーダーたらんとするアメリカそのものでありますが、国がそれを行動で起こした事で、ジェームズに起こる悲劇は、国民を守るための国家とは何なのか?を考えずにはいられません。

また、支配するIS側の「ビートルズ」の「ジョン」についても、圧倒的な暴力が全面に誇示する中、ほんの一瞬見せる脆さや弱さの表情も見逃しては行けない。

組織や国家の思想や理想は、人間性そのものまで支配できるモノではない、という事か。
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