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ある人質 生還までの398日のmarucoのレビュー・感想・評価

ある人質 生還までの398日(2019年製作の映画)
4.0
ある人質 生還までの398日観ました。
私はほんまに若くもないのに、
知らんことが多いイヤイヤ多過ぎる。
卑下でも謙遜でもなくほんまに私は
世界情勢どころか日本の政治のことも
ろくに知りません。
そんな折 今回大好きな映画に拠って
実話で少しでも学べるきっかけとなる
ならと思い鑑賞しました。
本作は内戦中のシリアに渡った清廉潔白の若きカメラマン志望の青年(ダニエル)が不運にもISに拉致され耐え難い拷問と
恐怖と地獄の398日を再現するといったものでした。
そこには影の功労者、
知られざる人質救出の専門家の活躍、
そして何より巨額の身代金要求に
裕福でもないごくごく普通の家族は
金策に奔走する。
ダニエルを心から愛し悲しみに暮れ
泣くばかりだった母…、
この母のギリギリのところの、
機知に富んだ大胆な行動に私は
本当に心打たれます。
愛は人を育て人を強くするものです。
その母の勇気と想いが、
保身にまわる富裕層の大物の心を動かすのです。

そして、
ダニエル以外にも、
身代金が払えない、
国が一切の身代金要求に応じない、
身代金支払いを一切拒否している、
これらの事情が、
先の見えない 先の無い人達を
棄ておくこととなります。
同じく拷問と恐怖と絶望の日々の中、
ダニエルと密かに心通わせる、
釈放不可能とされる人質の青年が
います。
先に釈放されて出ていくダニエルに
言葉を投げかけるんです。
自らは深い傷だらけの精神と肉体でありながら…、

僕はここに残ってたのしむよ。
君は平凡で面白くない生活にまた
もどれ(笑)
時間を大事に生きろ(笑)

と、はなむけの言葉を送ります。

私はこれにはもう辛すぎて、
涙すらほぼ出ない心境に陥りました。

そして、
その後彼はIS首謀者によって、
公開斬首されます。

臨場感に溢れドキュメントを
観ていたような錯覚すらしました。
marucoはしっかりしたコメントなど、
できる人間ではありません。
だけど少しは知ることができて
光栄でした。
お亡くなりになられた方々の
ご冥福を心からお祈り致します。



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