Gugu

ある人質 生還までの398日のGuguのネタバレレビュー・内容・結末

ある人質 生還までの398日(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「いっそのこと一思いに殺してくれ、家族に迷惑はかけたくない」
まだ生きれる可能性があるのに、こんな悲しいことを言ってしまう、自ら命を絶とうとしてしまう、ダニエルの気持ちがわかるような、むごい状況。

「彼らの憎悪にのまれたくない」
テロに屈しない強い心持ちも垣間見ることもできた。

「君は日常に戻る、退屈で平凡な毎日に」
改めてハッとした、"平凡な毎日"があることの幸せ。

「何が起きているか、誰かが伝えなければならない」
そう考え、自らの危険を犯してまで行動してくれる人がいることへのありがたみ。
そんな状況を知りながら、何もすることができない自分の無力さ。



自分と同じ年代の人がこんな目に遭っていた、という事実…目を背けたくもなるような痛ましい場面ばかりでした。
しかし、しっかり直視すべき題材を扱った映画です。

小さい頃から戦士として教育、洗脳され、戦わなければいけない、テロを正当化しなければいけない世界…いつか終わりは来るのだろうか。平和は訪れるのだろうか。

ダニエルが手で食べれるように鎖を解いてくれたあの子のように、慈しみの心がかつてISの大人たちにもあったのでしょうか。

「一人殺してしまえば大丈夫、慣れるさ。神が我々の行動を見てくれている。」そんなこと言いながらも心のどこかで、こんなの間違ってると、人間らしい気持ちが残っていることを願うばかり。
神はきっとそんな過激なやり方は願ってないはず…。
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