佐藤克巳

孤独の人の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

孤独の人(1957年製作の映画)
4.5
西河克己監督が、畏れ多い現上皇陛下の皇太子時代の藩屏となるべく学友達の、旧弊を打破すべく果敢に皇太子の銀ブラ断行をした事件を、気品を失わず爽快感を与える傑作に仕上げた。青山恭二を中心とする初等科グループに中等科から主役津川雅彦が加入するが、急進派の先の行動にも逡巡し、月丘夢路とのデートを目撃され、代わって、配役順が遥か下の小林旭が美味しい役を占める結果となった。津川雅彦は、石原裕次郎以上に厚遇されながら、「狂った果実」同様小林をアシストしてしまった。侍従澤村國太郎、主任教師大坂志郎等の好演。中でも警衛安部徹の暖かい眼差しでの銀座の目配りは感動した。
佐藤克巳

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