無知A

セブンの無知Aのレビュー・感想・評価

セブン(1995年製作の映画)
3.4
七つの大罪がテーマという事で、各々の事件にこれらが当てはめられていた。中でも嫉妬や憤怒については、しっかりと描かれていた。しかし、暴食を初めとした他の大罪については、軽くしか触れられていない。憤怒と嫉妬という部分を中心に物語を繰り広げようととしているのは分かるが、憤怒を熟成させる為とはいえ、これでは前半部分の内容が薄いと思われても何ら不思議ではない。ただ、モーガン・フリーマン演じるサマセットとブラッド・ピット演じるミルズとの会話には、本作における主張が存在し、これらの部分については言わずもがな前後半関係なく重要といえる。

本作から学べる事を私の解釈から一つ挙げるとするならば、人間の恐ろしさである。七つの大罪にある罪とは、殆どの人が知らず知らずのうちに犯しているものであり、どれにも感情が伴っている。従って、感情的に生きているのが人間であり、また、物理的に法や武力を持って裁くのも人間である。本作のある関係のように、全ての人が歯車の中に存在し、薄汚れた歯車が回り続ける限り、循環は後を絶たない。ならば、どうするべきか。孤立するべきか、抗うべきか。ここに物語の終着点があるように思った。

しかし、くどいようだが、他の大罪については定義としてしか触れられていない為、深い作品だとは思うことが出来なかった。
無知A

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