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クリスマス・クロニクル PART2のmaverickのレビュー・感想・評価

4.0
あの『クリスマス・クロニクル』が帰ってきた!
前作は2018年にNetflix製作映画として配信された。クリスマスにぴったりの作品で大好き。カート・ラッセルのサンタは神がかっていて必見だ。

母親に新しい恋人が出来るが、そのことを喜べない娘のケイト。彼の計らいで常夏のリゾート地へとやって来るが、クリスマスをビーチで祝うことにも不満で。こんな場所から逃げ出したいと願う。そんな彼女を利用しようとする者が現れる。サンタに恨みを持つベルスニッケルだ。サンタと再会出来たことを喜ぶケイトだったが、ベルスニッケルの陰謀に巻き込まれてサンタはピンチに。クリスマスを取り戻すため、ケイトは母親の恋人の息子のジャックと共に立ち上がる。

アメリカではクリスマスは家族と祝うのが慣例。本作も前作同様に家族の絆をテーマとした物語なのが心温まる。主人公のケイトはもちろん、悪者のベルスニッケルも実は愛情に飢えていて。彼とサンタとの問題を解決する中で、関わるケイトも自身の問題と向き合って大きく成長する流れなのが良い。サンタさんを信じていた子供の頃ってみんな純粋で。でもそこからだんだんとひねくれていって悪い心を持った大人になっちゃう。ひねくれてしまった自分に気付き、それを素直に認めることが大事なんだなと。

アメリカのクリスマスって、日本と全然違って壮大な雰囲気で素敵。もちろん日本は日本でロマンチックで子供にも夢があって素敵だけど、そもそもクリスマスはイエス・キリストの生誕を祝う日。キリスト教のアメリカでは、人々の認識が違うのも当たり前。他の映画作品を観ても、クリスマスを特別なものとして大事にしているのが伝わる。クリスマスは家族と過ごす。家族と過ごせない人は仲間と過ごす。この日だけはみんなが幸せに包まれる。日本では恋人がいないと寂しい日みたいな扱いになっているけど、本来はみんなが幸せを分かち合う日で。そんな本場アメリカのクリスマスは本当に素敵だなって思う。

海外のクリスマスを子供の時に一度だけ体験したことがあるけど、盛り上がり方が全然違って本当に素敵だった。クラスメイト同士でみんなでクリスマスカードを贈りあって。その日町は静粛な雰囲気で、みんなニコニコして幸せに満ちて。「O Christmas tree、 O Christmas tree」って、あの曲の雰囲気そのまま。本作でその思い出が蘇ってきた。それでも日本にいると恋人がいることがステータスみたいなところがあり、高校生にもなると親とクリスマスは空しいみたいな気持ちも抱くようになった。恋人が出来ると親とはクリスマスを祝わなくなり、子供のいないクリスマスは親には寂しかっただろうなと、今更ながらに反省。今年はそもそもコロナの影響で帰れないけど、せめて電話しよう。

クリスマスの素晴らしさを感じさせる素敵な物語でほっこりさせられた。いわゆるファミリー層向けの作品で深みはない。けどクリスマスが題材の映画って、親が子におとぎ話を聞かせるようなそんな優しいシンプルな話で良いと思う。その割にはちょっとパンクな今風な内容だけど(笑)。エルフが狂暴化する姿は、『グレムリン』風で笑っちゃった。カート・ラッセルとゴールディン・ホーンのコンビも相変わらず最高で、安定の続編だった。ミュージカルパートも最高!このまま毎年続編作ってくれないかなぁ。
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