イタリアの港町で、かつてホロコーストを生き延び、娼婦の子供たちの世話をするマダム・ローザ（ソフィア・ローレン）は、不良少年モモ（ヒマ・グエイェ）を引き取ることになる。2人は反発しあいながらも、次第に心を通わせるようになっていくが、ローザの体調は悪化していく。
1977年にシモーヌ・シニョレ主演で映画化された物語のリメイク。
主演ソフィア・ローレンというだけで観なきゃと思ってしまったが、内容も濃かった。
“（他の奴らは）どうせ人種が違うんだ” と誰にも媚びず、幸せも求めずに一人で生きていこうとするモモが痛々しい。
でも、自転車に乗っているときの笑顔はやっぱり子供。
アウシュビッツの記憶に苦しむ老女が、そんな孤独な不良少年に、厳しくも優しく愛を注ぐんだけど、ソフィア・ローレンの優しすぎず厳しすぎず、温かくも時に不機嫌な表情で見せる演技が素晴らしい。
同時に、身分証明ができない移民の肩身の狭い生活や、アラブ人とユダヤ人のどうやってもなくならない壁が、さりげなく描かれているところも見逃せない。
中盤以降はモモの心の変化の描き方が雑に見えてしまって、もっとローザとの時間をじっくり見せた方が良かったんじゃないかな。
主題歌 “Io sì（Seen）” にある “逃げても壁を作っても私はここに居る” という歌詞がローザの存在を象徴していた。
誰も信じなくても私は信じるし、いて欲しければ一緒にいる。ローザは誰よりも母親の役割をしてくれていたんだなー。涙
