愛してるって言っておくねのVioletのネタバレレビュー・内容・結末

「If Anything Happens I Love You」
(例え何があっても愛してるよ)

本作はフィクションではあるが、2018年実際に起きたマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校銃乱射事件の最中、ある生徒が親に送ったメッセージがきっかけとなり制作されたものである。
※幸いこの生徒は無事であった。
(マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校銃乱射事件: 2018年2月14日午後3時頃、退学処分となった元生徒が高校に侵入。AR-15ライフルを乱射し、生徒や教職員17人が死亡した事件)

娘を象徴する「青」以外に本作で色が使われてたのが学校に飾られている「アメリカ国旗」。アメリカの銃社会に対する強い非難を感じる。

印象的なのは、事件の日の朝、娘を学校に行かせまいと必死に止めようとする両親の「影」。
あの時こうしていれば、ああしていれば。
誰のせいでもないことで、自分を責め、誰かを責める。そうしていないと生きていけないほどの絶望と深い悲しみ。

大切な人を失ったとき。
わたしは自我を保っていられるだろうか。
誰も責めず前を向いていられるだろうか。
それでも、その大切な人のためにも、その人の死をきっかけにこれまで大切にしていたものをすべて投げ出すようなことをしてはいけないのだと。
それと同時に、罪のない人々がある日突然命を奪われる。そんな事件が一体どれほどの人々の生活を一変させてしまうのか。そんなことも考えさせられた。
たった12分のアニメーションとは思えない内容の濃い作品。