『ちえみちゃんとこっくんぱっちょ』、『何食わぬ顔』と同様、第35回 東京学生映画祭「ゼロ年代学生映画特集」にて鑑賞させて頂きました!
今泉力哉監督の登壇もあり、ディレクションに関して質問させて頂けたのは貴重な経験でした。
さて、余談はさておき本編へと入っていきます!
二股カップルによるコミカル愛憎劇。
表題として付けた1文の要領の得られなさは、これまで書いてきたレビューの中でもピカイチなものでしょう。
ですが、文字通りの作劇を成立させている今泉力哉監督の作家性は唯一無二で、鑑賞中観客から大きな笑いが起こっていました。
監督自身も言っていましたが、狙い過ぎている部分もあってそれを寒いと感じる方もいるかもしれません。
個人的な感覚としては、いい意味で力が抜けている印象で、そこまで狙い過ぎで寒い!とまでは感じませんでした。
本筋のドラマ部分はドロドロした内容であるにも関わらず、それを感じさせない爽やかさは本作の魅力と言え、もっと続いても観ていられると思いました。
撮影場所の少なさが群を抜いたものになっていて、限られた人数や場所で撮ったにしては、鑑賞後の満足度は高かったです。
とはいえ、作為的な編集の見づらさや、予想範囲内の展開が続くのは否めず、正直コメディ描写の数と質が本作の良さを担保している印象でした。
画的な驚きも最後のシークエンスに集約していて、そのインパクトも予算の少なさを如実に感じてしまいました。
総じて、コメディ描写は光りに光っていながら、全体としてはクオリティの面でどうにも弱さが拭えない作品でした!