よそ見運転で起こした交通事故を親友の森田健作が代替りしてくれたのに、小倉一郎の事故死をよく知りもせずに森田健作のせいにして責める石立和男…おめーよー！ってなるけど青春。吉沢京子の弟を車でぶつけた冒頭からして周り全員のモラルが少しずれているからまあいいかこれで、となる。轢かれた弟は蟹と亀に夢中で結果オーライ。森田健作and桜田淳子のサンミュージック勢、安西マリアの歌謡パートも楽しいし、岡田英次社長の愛人社員の高沢順子、吉沢京子のお母さんは利根はる恵。人選が素敵。社会の底辺で生きる若者たち、暗い現実のなかのささやかな幸せがほんの少し。焼き鳥屋台でのラストが爽やかで良い。森田健作の役名は中根徹。

「ひとつぶの涙」に続き森田健作と吉沢京子コンビがおおくりする感動青春群像劇の傑作！主演の森田の思春期ならではの葛藤もさることながら押し寄せる不況の荒波と痛ましい事件の数々に悩まされながらも小倉一郎と石立和男との茶店での友情シーンをはじめ、蟹のくだりや茶店での結婚式など日常の小さな機微に喜びと悲しみが詰まっててジーンときちゃう。森田の妹役の桜田淳子をはじめ出てくる少女たちがみな美人で眼福だし安西マリアの熱唱シーンも見どころすぎだし70年代中期の青春活劇としては必見。

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衛星劇場
幻の蔵出し映画館
2021.06

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