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ドライブ・マイ・カーのDWのネタバレレビュー・内容・結末

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

2022年初。
村上春樹も戯曲も全く分からないので観ていなかったが、あまりにも良い評判を聴くので。

結論から言うと、私に村上春樹は合わない。ただ映画は素晴らしかった。
いわゆる文学的映画はどちらかといえば好きな部類に入るのだけど、村上春樹らしい言い回しというか(読んだことはない)、が、あまり好ましくはなかった。
だけど、冒頭からはじまる音の物語、妻と男の姿を見た後のホテルでのビデオ通話、ユンス家での会話、車中の高槻、渡利の故郷、そしてラストの手話台詞。全て必要全て良い。3時間という長い時間が中弛みすることなく観られたのも、これらのシーンで登場人物から発せられる言葉が一つ一つ重みのあるものだったからで。原作を読んでいないためどこまで忠実なのかは分からないが、これが村上春樹かと唸った。
「前世がやつめうなぎの空き巣の女子高生」
「本当に他人を見たいと望むなら、自分自身を深くまっすぐ見つめるしかないんです」
「ワーニャ伯父さん、生きていきましょうよ。」
これらが一つの映画に詰め込まれてるのすげえよ。
多言語演劇に何の意味があるのかと不思議に思いながら観ていたが、ラストソーニャの台詞は手話だからこそ、表情だけでなく文字通り身体全体でワーニャを包み込むことができていて最高。あのシーン何回でも観たい。
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