車の中、ベッドルーム、食卓、稽古場、バー、ゴミ処理場——、いろんな場所で繰り広げられる会話劇のひとつひとつが繊細で、濃厚で、興味深い。画面は常に落ち着いているんだけど、その会話に思わず聞き入ってしまうからあっという間の3時間だった。
中でも一番引き込まれたのは岡田将生くんがバーの帰り道に車内で告白するシーン。それまではただの薄っぺらい若者だったのに突然凄味のある話し方になったからゾッとした。声と表情だけで感情を揺さぶる演技ができる岡田将生くんマジで凄い。そして会話中のBGMがひたすらエンジン音だけっていうのもかっこよかった。バーからホテルどんだけ遠いんだよって思ったけど笑
あとこれだけは言いたい。東京を発つタイミングでようやく映画のタイトルが現れる演出、最高かよ。こんなに色々起きたのにまだ導入なのか!物語はここから始まるのか!って期待が湧き上がって鳥肌立ったし、この映画絶対に名作じゃんって早々に確信した。うん、間違ってなかった。