ぐちゃん

ドライブ・マイ・カーのぐちゃんのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.5
5週目を観終わっての感想を改めて。
この作品は間を開けて定期的に観ていくと
どんどん潜っていける、「あ、なんか分かった」、みたいな感覚になれる映画なんだなぁと静かに、深く、感動しています。

濱口監督故に台詞や演技やシチュエーションが独特?だから、
(あと前半がハルキムカラミアレルギーでムズムズする感じ)
なんだか分からないなぁで終わってしまいそうになるけれど
結局ものすごく普遍的な事を伝える為に、
丁寧に丁寧に創られた映画なんだと感じます。

はじめ観た数回目までは、
高槻のセリフ「本当に他人を見たいと望むなら、自分自身を深くまっすぐ見つめるしかないんです。僕はそう思います。」
どこの間男がこんな綺麗事を抜かしちゃって!よく言えたなぁ!とちょっと小馬鹿にしながら観ていたのですが、
高槻だからこの台詞なんだなと今なら腑に落ちます。

正しく怒る。正しくぶつかる。正しく傷つく。そして自分とちゃんと向き合う。
他者と関わりながら生きていく上で、本当に本当に大切なこと。

怒っているのは自分を大切にしている証拠で、
ぶつかるのは他人を理解したい欲求の爆発なんだと思う。
それを見て見ぬふりして、いつでも微笑みあって、自分のきれいな部分だけを共有して、深く分かり合ってずっと一緒に暮らせるなんて、
おとぎ話なんだよなぁ。

石橋英子さんのサントラも、
本当に素晴らしいです。
レコードが欲しいなぁ。
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