このレビューはネタバレを含みます
西島秀俊の演技を初めてまともに見た。イケボだな〜。
主人公が妻との間にあったわだかまりと、妻の死に向き合うシーンのあとに「ワーニャおじさん」のラストをもってくる流れはいいなぁと思った。生き残ってしまった人間たちへのやさしいエールって感じだった。
「ワーニャおじさん」読んでみよう。
北海道に向かうシーン、(タイヤはちゃんと冬用タイヤになっているのだろうか?)というのがやたら気になってしまった。
あと野外の喫煙シーンで主人公もドライバーもちゃんと携帯灰皿を持ってるとこがキャラ性が出ててよかった。主人公の携帯灰皿が中々見えなくて(この性格、あの家のインテリアで灰をそこらに捨ててるわけはないよな!?)ってドキドキした。
同日に「コーダ」を見たので、同じ手話でもこれだけ違うんだなあってなった。民族性が出るというか。面白い。
(追記・と思ったけど本作の手話は手話を使う人からすると棒読みらしい。言われてみれば日本語の手話ニュースなどで使われてる手話はもうちょいエモーショナルだった記憶があるなぁ。本作だけでアジア人の手話を語るのは危ないかも)
開幕濡れ場だったり、セックスやらオナニーやらの単語が飛び交うの、ザ!村上春樹!って感じで笑った。
村上春樹は昔「海辺のカフカ」と「ライ麦畑でつかまえて」の和訳を読んだけど性に合わず、以来まともに読んでないのでファンに怒られそうだけど…。
台詞回しも村上春樹っぽいけど原作とどれぐらい一緒なんだろう?
それにしてもアジア人のエロシーンって生々しいな。欧米人のエロシーンは客観的に見れるんだけども。同じ人種だからなのか。
(セックスの後にイタコみたいに語り出す女きついな…)と思ったけどそこは突っ込んだら負けか。ソファの上で致すシーンは体は繋がってても心はバラバラなのが伝わってきて痛々しかった。
舞台のコーディネーター?のおばちゃんのやたら丁寧な日本語が妙にツボったんだけど、「二日待てます」のシーンはビジネスライクな態度も相まってサイコパスみたいに見えて笑ってしまった。
長時間だし村上春樹だしあまりコンディションよくなかったしで身構えてたけど、退屈して寝ることもなくそこそこ楽しめた…けど、めちゃくちゃ記憶に残る、響くというわけでもなく、これがそんなにたくさん賞をとるのかーと不思議に思った。
自分とアカデミー賞の相性はブレがあるなー。
ラスト韓国にいたのがいまいち繋がらなかったなあ。あの犬は手話してた人の子だよね?
瀬戸内・広島の景色の美しさやドライブの楽しさはガンガン伝わってきたので、また旅行したいなあってなった。