俳優兼演出家の家福は脚本家の妻と暮らしていたが、妻はある秘密を隠したまま亡くなってしまう
その2年後、家福は演劇祭の演出担当として広島へと向かうが、そこでの日々で今まで目を背けていたものに徐々に気づき始めーーー
アカデミー賞で国際長編映画賞、ゴールデングローブ賞で外国語映画賞をそれぞれ受賞するという快挙を達成した今作
村上春樹の『女のいない男たち』に収録された短編が原作
原作は未読ですが、短編を3時間の長尺で映画化し、さらに最後まで目が離せない展開になっているのが凄い
また、主演の西島秀俊をはじめキャスト陣の演技が素晴らしく、特に個人的には岡田将生が圧巻
とあるシーンで岡田くん演じる高槻が何かに取り憑かれたように語るシーンが圧巻で、鑑賞後しばらく頭を離れませんでした
タイトル通りストーリーの大半で、自分の車のハンドルを他人に任せることになる主人公
他人に自分の車のハンドルを任せるという一種の信頼と、車内という閉鎖空間で生まれる独特な人間関係がとにかく印象的で、車窓に隔てられた外と内で全く違う世界にいるような錯覚に陥る
過去の後悔を乗せたドライブが行き着く先は、人それぞれの希望の形なのかもしれない