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ドライブ・マイ・カーのtakehiのネタバレレビュー・内容・結末

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

・永遠の謎
主人公の妻さんはなぜ浮気をしだしたのか? 妻さんは主人公を本当に愛していたと思われる、、妻さんは主人公にあの夜に何を話したかったのだろう?  あなたは私が浮気してることわかってるのでしょう&子供を産みたくない自分は妻として失格よね、、つまり妻さんは離婚を切り出そうと考えていたのではないか? その真実は妻さんの死を持って永遠の謎となった。

・人生と悲劇
主人公は妻さんを、女性ドライバーはお母さんを、自身が殺してしまった、、それぞれの関係にキチンと向き合えなかったせいで死んでしまったと後悔していて大きな喪失感を感じている。
妻さんも愛する子供の病死のショックに大きく傷つき、後悔と喪失感を感じていたのでは無いでしょうか。。   人生とは悲劇や苦悩と向き合い、受け入れ、長い長い昼と夜を生き続けるもの、そしていつの日か静かに死を受け入れなければならない。(チェーホフの戯曲の名台詞が切なくとも、美しい。)

・村上春樹
愛し合った後になぜ妻さんは物語を語りだすのか? 妻さんの語る物語は感覚的で、ブラックジョークや都市伝説のよう、畏怖を感じました。 
そのあたりの切れ味の良さは村上春樹の魅力のひとつなのかな、原作を読みたくなりました。

・カンヌで脚本賞を取った事
この作品は映画で文学しているので字幕(つまり活字)で見る方がより評価高くなる気がしました。 映画内舞台劇は有名なチェーホフの戯曲を使用していて、なおかつ映画の物語にシンクロしてゆく高度な事を成し遂げているので、演劇にも詳しいであろう国際映画祭の審査員は映画を楽しみ、高く評価されたのではないかと想像します。

(封切り当時yahoo映画へ投稿)
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