枕が代わり寝つけず、なんとなく観始めたら3時間の超大作だった。
冒頭シーンから村上春樹みがすごい。
少しモラハラチックな夫の家福と、俳優と関係を持ちまくっていた妻の音、自分をコントロールできない俳優の高槻。
「僕は空っぽなんです。僕には何もないんです。」という台詞が、まさにその通りなんだろうなと思わされるほど、感情のまま流動的に生きている高槻の「僕がやりました」は少し格好よく見えた。
「音はすごく自然に僕を愛しながら僕を裏切っていた。
僕たちは確かに誰よりも深く繋がっていた。それでも彼女の中に僕が覗き込むことができないドス黒い渦みたいな場所があった。」
「一番恐れていたのは音を失うことだった。」
「僕は正しく傷つくべきだった。」