ユンファ

ゴッドファーザー(最終章):マイケル・コルレオーネの最期のユンファのレビュー・感想・評価

4.0
僕はゴッドファーザーが大好きだ。
人生ベスト5には常に入っているし、評判の悪いPARTⅢも嫌いじゃない。
完結からン十年経過した今さら再編集版を発表するというので、すぐさま予約。2020年最後の楽しみに鑑賞した。

冒頭とラストを除いて大きな変更はなく、全体的に編集上の微調整を行った印象。
元のPARTⅢはストーリーが分かりづらい部分が否めないため、PARTⅠの構成に更に近づけ、ビトとマイケルの対比をより明確にすることにより、圧倒的に分かりやすくなった。
ただし、作品全体の印象が一変するほどのものではないため、PARTⅢ否定派がCODAを観て考えを改める可能性はかなり低い。

で、肝心の僕の感想だが、正直あまり楽しめなかった。とはいえ、これは映画それ自体の出来とはあまり関係がない。
例えば、コッポラの盟友ルーカスが制作したスター・ウォーズには様々なバージョンがあるが、結局ほとんどのファンが愛して止まないのはオリジナルだ。オリジナルバージョンは編集も間延びしているし、特撮カットも丸分かり。特別篇ではそれらが解消されているにも関わらず、僕らファンがオリジナルを好きなのは、それが初めて体験したものであったからに他ならない。
出来の良し悪しなど関係なく、僕らにとってのスター・ウォーズは、あの間延びしたスター・ウォーズなのだ。
これは今回のCODAにおいても同様で、再編集によって洗練された部分よりも、「心に刺さるあの場面がない!」という部分のほうが気になってしまった。

映画は、いやこれは全ての表現に共通して言えることだが、出来が良ければ良いというものではない。退屈な2時間30分でも、心を抉る1秒があれば良い。
その一瞬のために、僕は映画を観ている。
ユンファ

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