メランクさん

ゴッドファーザー(最終章):マイケル・コルレオーネの最期のメランクさんのレビュー・感想・評価

5.0
カラマーゾフの兄弟でドミトーリイがそうだったように、
喧嘩っぱやい長男ソニーは物語を動かし、
コルレオーネ家を危うい位置に持ってく働きをしてたわけだけど、
今作では息子ビンセントがまさにその再現となっていて、
身内であるがゆえの難しさと
恋愛であるがためのもどかしさが切ない。

結局マイケルは寄りかかるものに寄りかかってきただけで、
その結果として娘を失うのだから、
家族を守る上では選択を誤ったとしか言いようがない。
ゴッドファーザーってそういう話だなって思う。

父親の仕事には加担しないと言ったけど、
人をコントロールしたりできるその魔力に惹き寄せられてしまったのがマイケルで、
本来なら代償としてケイを諦めるべきだった。
同じことをビンセントに求めるのは虫が良すぎるし、
だからこそ最後の悲劇に繋がる。

親の身勝手さと、若者の脆さ。
いずれにしても暴力というものが安易だからこそすがりやすく、
その代償としての喪失を回避できない。
あー悲しい話ですね。