のすけ

ゴッドファーザー(最終章):マイケル・コルレオーネの最期ののすけのレビュー・感想・評価

4.4
マイケルは足を洗おうとしていた。できるだけクリーンな仕事を求めていた。
老いからか厳しい闇の世界で生きていくことに疲れている様子。

逆にビンセント(ソニーの息子)はソニーの子供らしく、血の気が立っていて、エネルギーに満ちている。それこそ若い頃のマイケルのように。

マイケルの息子、娘はマフィア稼業には関わっていない。
ビンセントとマイケルの娘ジェシーはいい感じ。

マイケルは命を狙われる。
マイケルは足を洗おうと思っても、なかなか抜け出せない。過去の自分、行いはどこまでも追いかけてくる。
そんな中マイケルは持病で倒れる。もう身体的にも限界になっている。

ビンセントはマイケルの許可なしに襲った相手を襲い返す。

マイケルは懺悔する。実兄のフレドを殺すことを命じたこと、今まで多くの人を殺してきたことを悔いている様子が見られる。
その時はしっかり考え、必要だと信じてやってきたことだけど、やっぱり後悔するもの。
過去は変えられない。当たり前のことのようだけどあまりにも残酷に過去は自分を苦しめる。

マイケルは懺悔の後、自分の心を理解し始め、ケイにも本心を打ち明け、今までの行いを謝罪?する。
ケイも理解を示したが、その直後仲間が殺された知らせが入り、マイケルは冷静に対処する。
それを見たケイは「マイケルは変われない」ことを確信する。
マイケルが変わろうとしていることは真実だけど、そう簡単には変われない。それは本人の問題というよりかは、今までマイケルが積み重ねてきたものがそれを許さない。
しかも、この時の画面の構図がpart1の時と一緒。マイケルが一作目の時と変わらず同じであることが画面からもあまりにも残酷に映される。

そこでマイケルはビンセントにドンを継ぐ。
辞めない限り、自分は闇の世界から抜け出せないことを悟る。

しかし、時すでに遅し、娘のジェシーが巻き込まれて殺されてしまう。


ビンセントは過去のマイケルの生き写しのようにエネルギーに満ちていて、強い。

一方、マイケルはどこまでも追ってくる過去の自分と苦しみながら戦う。

ラストでは宝同然の自分の娘を失う。

マイケルの壮絶な人生の終焉にはピッタリな話。相対描写や出来事のタイミングが絶妙で脚本が素晴らしい。

2作目に続いてめちゃくちゃ良い映画でした。
のすけ

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