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浜の朝日の嘘つきどもとのwakiのレビュー・感想・評価

浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)
4.0
映画への愛に満ちた映画だった。私も暗闇の中の残像に救われた根暗のひとりだから、心の中で「わかる、わかるよぅ」とウンウン頷いていた。
映画で腹は満たされないけど、人は生命を維持させるためだけに生きているわけじゃない。
パンデミックが起こって、失業する人もたくさんいて、藁にもすがる思いで生きている人がいる中で何よりも映画が大事だとは言えないが、それでも私は映画があったからいろんなことを乗り越えられた。

登場人物に誰一人嫌味な人がおらず、それぞれの「正しい」と思ったことを通そうとしているのも良かった。
あさひと茉莉子先生の掛け合いとか演技っぽくない演技で大好き。素朴な空気感と愛しさとチクッと胸を刺すような痛みにいつの間にか泣きながら笑っていた。

平日の朝だったけどそれなりに人が入っていて、まさに「同じところで笑ったり違うところで泣いたり」していた。やっぱり映画館で見るから映画は生きるんだ。
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