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浜の朝日の嘘つきどもとのchipのレビュー・感想・評価

浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)
5.0
間違いなく今年一番泣いた映画
そして一番笑った映画です。
良かった~

福島県南相馬市に実在する古い名画座
「朝日座」を舞台にしたあったかいお話でした。

「映画で人は救えない、終わりだ」
震災後もがんばり続けた映画館も
コロナには勝てず…
閉館を決意したオーナーの前に突如現れた若い女リコが言う
「まだ始まってもいない」と。
じじぃー!!と呼ぶ口の悪い彼女だけれど…
何だか憎めないし、すごく一生懸命だから…
一度は諦めたじじぃもがんばっちゃうんだなぁ~
二人の掛け合いが面白くて、あったかくて、
聞いていて何とも心地よいです。
高畑充希さんのクリッとした瞳と元気な声
大好きなんです。
じじぃは落語家さんなんですね~
「トト・ザ・ヒーロー」
「キッズリターン」
二人の会話に出てくる映画、
観てみよう。。
「ベルリン・天使の詩」
「天使のラブソング」
この二本立て、
絶対に観に行きたいヤツだ!

リコの高校の教師田中を演じたのが
大久保佳代子、
これがまたすごく自然体で良かった~
無類の映画好き
優秀な教師なんだけど男にだらしない…
なんともぴったりな配役、笑
リコと二人で映画を観るところ、
食い入るように、っていう表現そのままだった。
失恋するたびに同じ映画を観る…
わかるな~
そして同じシーンで泣く…
これもわかるし。


朝日座を再開したいわけ、
そしてリコの正体は…?
震災やコロナで家族の絆が強くなった家族もあれば
壊れてしまった家族も確かにあって
家族は幻想、と言い切る彼女、
答えは永遠に出ない気がする。
先生との出会いが彼女を救った。。
先生とベトナム青年バオ君との関係も
あったかくて、ウルウルきてしまったよ。


わたしも残像現象に救われる
映画好きのひとり
映画館に何度元気をもらったことか。。
ありがとうございます。
いまとても大変でしょうが…
頑張ってください。
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