さとうほなみちゃんってゲス極のドラムの人だよねって言われなければ注目実力派女優として頭から認知するレベルで、すごいお芝居だった。
水原希子ちゃんも、素じゃんこれ!っていう自然体な表情がすごく一皮むけた感じで鮮烈だった。キコちゃんってものすごく美人に見えたり、普通の子に見えたり、なんか不思議な人だなと観てて思ったけど、本作では、とんでもなく華奢な体のどこから溢れ出すか分からないなんとも言えない男らしさがとても光ってました。
けどこの作品、何かが惜しい。なんだろう、なんだろう。そう、あれだ。人を殺すという最大のテーマに対して、手を血で染めるほど相手に惚れ込んでるんだなと見てる側が納得してしまうほどの魅力が、2人の馴れ初めに見い出せなかった。
笑顔が可愛いくて片思いしてた学生時代の淡い恋、10年前にお金返してもらうのにさらっとレストランで再会した、そんだけのために相手を殺すか?とちょっと頭が現実的にになってしまいました。
卒業後ふたりが社会人になっても友達としていつもそばに居たとか、お互いに本当は学生の頃から強烈な恋心を隠し持ってたとか、そうじゃなくて矢印が常に一方通行なのに、なんでそこまで?ってなってしまう。漫画の原作ではそのあたりが腑に落ちる描かれ方をしているのかな、読んでみたいな!
と、偉そうにケチつけましたが、2人の体の張り方は予想をはるかに超えていて、フランス映画のアデルブルーは熱い色ぶりに女性同士の生身のラブシーンの大熱演を見ました。SNSではとかく2人の裸についてや、エロい!みたいな騒ぎ方をしてるひとが多くて残念に思うけど、そこまでしてふたりがこの作品のために服を脱いで挑んだ気持ちをもう少し拾ってくれる人がいたら良いな、と感じました。
鈴木杏ちゃんと真木よう子さんはシーン数としてさほど多くないにも関わらず爪痕の残し方が強烈で、さすが!!と声が出そうになった。