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エスター ファースト・キルのAZのレビュー・感想・評価

3.4
この映画の醍醐味である実は大人という設定をすでに知っている状態なので、続編を作ったところでどう面白く見せていくのだろうと思ったら、そこはやはり工夫があった。

また、主役であるイザベル・ファーマンは前作『エスター』の時は12歳?と役的に無理はまだなかったが、現在26歳(制作時は25歳?)。容姿的に難しいのではと思っていたが、本人が映るシーンはバストアップで撮影し、体全体が映る時は別の役者が演じることでその問題を解決していたと思われる。そのため、かなりカメラワークの工夫が見られた。ただ、そこまでして続編を作る価値のある作品だったのだろうか。

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前作ですでに正体がバレているので、テンポが早い。どんどん悪いことしてくし、もはや自分の立場など考えてないように見える。なぜなら彼女の目的がその家族に馴染むことではないから。この辺り前作では見えなかった部分。

確かに永遠に9歳で止まっていたらいつかは正体がバレてしまう。それなら家を転々とした方が良い。そして、その際金目のものを盗んでいく。だが、ある出会いによって思いとどまることになる。

今作は利害の一致によって関係性が出来上がっているところがポイント。オルブライト家は娘の死の隠蔽のため、エスターは自由に生きるため。ただ、その利害関係が夫の存在によって崩壊していく。この辺りは前作と同じで、男女間の関係によりことが拗れていくところが人間味があってリアル。

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互いの状況を知っているからこそ、前作よりあからさまな行動をとるエスター。そして相手が相手なだけあって、エスターの方を応援してしまうという作品になってたのが面白かった。

工夫は見られたが、この作品の醍醐味はやはりエスターの実年齢というギャップ。前作の驚きとハラハラ感が超えれなかった。
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