みむさん

ドリームランドのみむさんのレビュー・感想・評価

ドリームランド(2019年製作の映画)
3.0
美女強盗犯と思春期真っ只中の大人になりかけの青年の逃避行。

キャスト良いし、ざっくりあらすじも良さそうだったが、さほどハマらなかった。

実の父がいるとされるメキシコに行きたいユージンとパートナーとの約束と逃亡のためメキシコに行きたいアリソン、協力しあって目的地へ向かう。

17歳の青年が犯罪者に協力してしまうというモラルを問われる状況と、惚れてしまった女性と一緒に逃亡したいという願望。危うい状況でメンタルもグラグラななか愛だけを支えに無謀な行動に出た青年という感じがあまりにさらっとしていて、愛のためにすべてを投げうつ一大事感があまり伝わらず。

アリソンの美しさも健康的で画的に強すぎて、儚い愛、危険隣合わせの逃避行、いつ崩れるかもわからない二人の世界という、壊れそうで脆くもの哀しい感じがない。10代の青年を命がけの逃避行に巻き込んでしまったことの戸惑いとかもあるにはあったがさほどでもなく。

フィン・コールの大人になりきれていないあの雰囲気はこの役にぴったりだったと思うが、演出もう少し悲壮感あってもよかったんじゃないかと思う。未熟ゆえとんでもないことをしてしまったという罪悪感と、惚れた女性を自分が助けるというある種一人前の男になれた錯覚との狭間で揺れまくる姿とかもっと出してもよいんじゃないの。

ギャレット・ヘドランドに至ってはチョイ役だったしな……

女性犯罪者との逃避行、ケイト・ブランシェットとジョヴァンニ・リビシの「ヘヴン」を思い出した。あちらは儚さ脆さ全開だったな。