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ローラ殺人事件のBOBのレビュー・感想・評価

ローラ殺人事件(1944年製作の映画)
3.8
オットー・プレミンジャー監督の初監督作品となった名作フィルム・ノワール。

"Goodbye Laura, Goodbye my love. "

ずっと観たかった作品。先日アマプラ見放題に追加されているのを発見したので、早速鑑賞。

刑事がローラ・ハント殺人事件の犯人を捜査するWhodunit型の典型的な殺人ミステリーではあるのだが、中盤から担当刑事が死んだローラ・ハントに心奪われていくという恋愛サスペンスが加わり、謎が深まっていく。

『バニーレークは行方不明』の原点的作品。クライマックスの切れ味鋭いスリル演出や、前後半で大胆なツイストがある点、登場人物の裏の顔が見えはじめ、誰の何を信用すれば良いのか疑心暗鬼に陥っていく点が共通点。心のザワザワが次第に強まっていった先に、背筋の凍るようなゾクゾクが押し寄せてくる。

アカデミー撮影賞受賞作。刑事とローラ・ハントの肖像を同一画角に収め続けるカメラワークの妙がある。キーアイテムとなる振り子時計の撮り方や、椅子でうたた寝をする刑事をズームイン&ズームアウトする鮮やかなトランジションも印象深い。

"Love is eternal. It has been the strongest motivation for human actions throughout history. Love is stronger than life. It reaches beyond the dark shadow of death."

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