1996年の映画の4Kデジタルリマスター版。
当時まだ大阪に住んでいて、シネマアルゴ梅田だったかな…に観に行った記憶があるが、夫が観たいというので。
初見では私もまだ大学生で、この映画におけるエロティシズムやフェティッシュな部分は理解しているようで理解しきれていない子どもで、やたらめったら濡れ場が多い作品だな、という印象だったのだが、25年ぶりに観ると感想も印象も変わるものだ。
交通事故に遭ってしまったその衝撃で開花する性的嗜好は、常人の考えを逸脱しているが、ある種「吊り橋理論」のようなことで、同じ経験を共有することで、誰にでも起こりうることなのかもしれない。
本来であればセラピー必須案件だと思うのだけれども、その性的嗜好にとらわれた人たちは、どんどん深みにはまっていく。
自分たちの興奮を得るために煽り運転しまくりの事故起こしまくりで、完全にとち狂った行動を起こす。当然、怪我をするので身体に影響を与えるのだけれども、不自由になった身体で、車でするセックスが気持ちいいのだろう。そういうシーンが何度も描かれる。
そして、その性的興奮には、性差の垣根は存在しない。
もしかして、ここ数年の日本での煽り運転の増加問題は、こういうことが背景にあったの？と想像してしまうくらいの説得力は余裕であったと思う。
問題は最後まで解決されないし、エロいのが観たい！と思ってこの映画を観に行っても、それを満たすような内容ではない事だけは書き記しておく。
このタイミングで何故、この映画をデジタルリマスターしたの？と思ったけれども、昨今のジェンダーにおける世間の思考の変遷の過渡期の影響などもあるのではないかと思った。
