昨今の政治における停滞感や、政治家の不祥事のパロディ、中身０の発言などが盛り込まれていて、かなりブラックジョークが強い内容。「今ここにある危機とぼくの好感度について」にも通じそうな、老害、女性差別、事なかれ主義にも触れられている。しかし、北朝鮮からミサイルが飛んでくることで自分たちの不祥事のニュースがかき消されると喜んだり、まだ死んでもいない人の死んでからの利権争いなど、自分のことしか考えていない人間って浅ましい。そして、こんな感じがもしリアルなんだったら、政治って、政治家って本当に何なんだろうなと。世の中を変えたい人がやらないといけない職業なのに、世襲とかしがらみとか本当にどうでもいいし、ましてや自己実現とか知らんがな。我々一般市民には関係ないわと思いながら、「香川一区」に想いを馳せていた。この中の宮沢りえ演じる川島ゆみの方が、そんな自己実現したい奴らとか金の事しか考えていない奴らよりも、よっぽど自分に正直でいいよ。ただ、政治はやれないと思うけど。窪田くんが演じた谷村は途中から自分事になったので、それが救いだった。赤楚くんが演じた岩渕は、今時の若者の代表のような存在。「こういう世界なんだったらそれを受け入れてやるしかない」とサラッと言えてしまう感覚、こういうのあるんだろうな…良く言えば聞き分けのいい使いやすい人材なのだけど、悪く言えば自分の考えとか熱い想いとかとは無縁。育ってきた環境にも拠るのだろう。秘書には向いてそう。
