LEONkei

冷血のLEONkeiのレビュー・感想・評価

冷血(1967年製作の映画)
3.8
血も涙もない冷酷無比な人間とは…

それは人間の姿をした悪魔か怪物かと思ってしまうのは簡単だが、その正体はやはり我々と同じで人間なのだ。

しかし人間が悪魔へ変貌する理由が必ずある。

カンザスの農場を営む平和な家庭をその悪魔は、一夜にして何のためらいもなく自らの小さな欲求の為に一家を惨殺する。

単なる事件もので終わらせないのがカポーティ(原作)なのか、人間が人間を殺める行為は善と悪の境界線を綱渡りのようにココロが揺れ動く。

闇を抱え苦悩する青年を演じる個性派俳優〝ロバート・ブレイク〟の怪演は素晴らしい。

クインシー・ジョーンズのジャズ調の音楽が物語に抑揚感を高め、追われる犯人はロードムービーでも見ているかのよう。

犯罪行為に対しては1ミリも同情の余地はないが、生と死・善と悪のジレンマは現代でも解決できず結末は考えさせられる..★,
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