シミステツ

彼女来来のシミステツのレビュー・感想・評価

彼女来来(2021年製作の映画)
3.4
いたって写実的にあらわしながら、ある日紀夫の恋人・茉莉が見知らぬ若い女に変わっていたという、設定はサイコ的でその距離感が引きになる。茉莉を探しながら謎の女性との関係を描く。謎の女性は両親にも茉莉として受け入れられていくし、紀夫は当惑し弱っていく。結局茉莉はどこへいったのか、謎の女性はなんなのか、終盤まで判然とせず、弦楽も不協和音に変わっていきながら、紀夫とともに観る者も憔悴していく。主人公、本当にいいんか、というスッキリしない最後。