ツクヨミ

ブレット・トレインのツクヨミのレビュー・感想・評価

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)
3.2
復讐に塗れた殺し屋いざこざに巻き込まれるブラピと駆け抜ける暴走エンタメ。
列車にあるブリーフケースを奪取する任務を受け持ったレディバグは、殺し屋たちの渦に飲まれていく…
デヴィッド・リーチ監督作品。"デッドプール2"や"ワイルド・スピード スーパーコンボ"などで人気シリーズ続編を手がけたリーチ監督、今作でもエンタメ感つよつよなアクションコメディでシンプルに楽しかった。
まず予告編からブラット・ピッド扮する主人公が任務の最中に殺し屋どもから襲われまくるストーリーらしく、いかにもノーシンキングで楽しめそうなエンタメ作品だなと想像していた本作。いざ見てみると殺し屋たちが列車に乗ってくる理由がわりかししっかりした背景があって飲み込みやすいし、殺し屋たちそれぞれの目的が徐々にわかり迷路のように入り組んだ人間関係がみえる後半にかけて脚本というか原作のパワーにぶん殴られた気分になる面白さが凄い。
そして今作は執拗なまでのフラッシュバックの多用が人物背景をわかりやすくさせていて良かった。会話の途中で小気味よく刷り込まれる細かい編集だったり、時系列に群像劇のようなアタックをかける繋ぎかたなど実はめちゃくちゃ映画的な要素がエンタメに散りばめられていて好印象。
また殺し屋たちの魅力的なキャラクター像は阪本裕吾監督作品まではいかないまでも、饗宴がけっこう笑えてくる絡みを見せてくれる。特に"モータルコンバット"でもバチバチにかっこよかった真田広之さんは流石の貫禄。脚本力がめちゃくちゃ強くて笑えてカッコいい実にエンタメなデヴィッド・リーチ監督っぽい作品で感無量だった。
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