おーもり

ブレット・トレインのおーもりのレビュー・感想・評価

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)
3.8
原作は未読。とっっっても楽しめた。
【洋画に登場させるヤクザは、新幹線の上に乗せなければならない。】みたいな規定ってありましたっけ?
こんだけシッチャカメッチャカな大乱闘が起きていても、通報も緊急停止もしないあたり日本人の他者への無関心具合を良く描けていたと思います。

富士山が京都にあり、そこより先が存在しない東海道新幹線で繰り広げられるすったもんだ。新横浜あたりまではしっかり路線をなぞっているのに、名古屋新大阪あたりがカットされる謎日本。こんな日本に住みたい。
終盤畳み掛けるように、これまでの人間関係やら因縁やらがカッチリ噛み合っていく。
原作は読んだこと無いが、これは確かに伊坂幸太郎原作っぽい~~と思った。

疲れ切った苦笑いがキュートなブラピッピの演技も光ってた。疲労困憊な中、グダグダな格闘するシーンって好き。
タンジェリンとレモンの関係も良い。機関車トーマスのシールをぺたりと貼り付ける嫌味な手癖が、相棒への無言のメッセージになる展開も激アツだ。
何も無い米原から乗り込んでくるエルダーこと真田広之の貫禄。聞きたくない言ってんのに長話を話し出すお茶目さもあり渋さがカッコいい。

絶妙な選曲にも気分が高揚する。歌謡曲が流れるなんてもう最高。
カメオであんな人やこんな人も登場するあたり、仲いい~楽しく撮ってんだな~と感じられて、ほっこりもした。

ちなみに蛇使いのホーネット。客室乗務員の福原カレンのアクションが見れるとおもっていたのに、なんかステレオタイプな純な良い日本人に徹していて残念だった。
大暴れしてブラピとおお立ち回る姿がみたかったな。