順慶

ボクたちはみんな大人になれなかったの順慶のレビュー・感想・評価

4.3
落ち込んでいるタイミングで見てよかったのか、悪かったのか。あのバーに行ってたら絶対スーに見つかってただろうな。
この映画にやばいくらいにハマってしまった。

いまの自分は、誰によって作られたのか。時代をさかのぼり、46歳から21歳までの過去を描いていく。その時代のファッションや携帯の機種や音楽も懐かしさと共に楽しめた。

仕事と恋愛。
過去に戻ってもそんなに変わってないよ。そんなに人間って変わらないよ。そんな気がした。
でも、出会った誰かの“言葉”って覚えていたりする。

初めての彼女に誘われて、仕事をサボって目的のないドライブでかかった「天使たちのシーン」はグッときて泣けた。オザケンが好きなわけではないけど、「天使たちのシーン」は名曲だと思っている。

映画は2020年のコロナ禍を描いていく。
いまはいろんなことが少しずつ緩和されてきたけど、コロナ前に戻るとは思わない。コロナ後に進むのだと思う。

「なんか普通だね」とか「普通でいいんだよ」とか、映画のセリフにあって、いろいろ考えたけど、“普通”でいいだと思う。それを受け入れて、生きていくしかないな。
だって森山未來ご演じる役は、“佐藤”なんだから。めちゃ“普通”。

「君は大丈夫だよ。おもしろいもん」って、落ち込んでいる自分をすべて肯定された感じで、これで救われる気持ちになった。
大人って意外と大人ではない。
順慶

順慶