竜平

星の王子ニューヨークへ行く2の竜平のレビュー・感想・評価

3.3
エディ・マーフィ主演のコメディ『星の王子ニューヨークへ行く』のまさかまさかの続編。ザムンダ国にて妻や娘たちと優雅に暮らす王子アキームがまたしても巻き起こしてしまうドタバタ騒動。

じつに33年ぶりとなる続編、なんだけども細かい脇役に至るまでキャストがしっかり続投してるという、これは本当にすごい。新登場の面々にはウェズリー・スナイプス、そんでまさかのカメオ出演もあったり。ストーリーとしては、ここにきて判明する「世継ぎ」に関する新事実、からのそれキッカケで再びニューヨークはクイーンズへ出向くことに、という流れ。前作でエディ・マーフィ扮する主人公アキーム当人が体験したことの逆パターンで攻めてきたりの、続編ならではの変え方、対比のさせ方がおもしろい。またちょっぴり下品方向の笑いというも踏襲。で、そもそもかなり年月が経っての続編だし、なんとも強引な展開のオンパレードであるのは仕方ないと思うんだけども、にしても今作にある話の流れというのはなかなか好みを分けるものになってるんじゃないかな。個人的には途中の人間模様にわるい意味でのモヤモヤ、ないしイライラを感じちゃったりして。新登場の面々にあまり感情移入できないってのがとくに大きいのかなー、そこに引きづられてか主人公にすら共感できなくなってしまう節も、あるっちゃある気がする。人物描写の部分での矛盾とか繋がりの甘さとか、気になっちゃう人はなっちゃうかもねー的な。全体的なテーマとしても、言わんとしてることはわからんでもないんだけども、総じて薄さが目立つ、という感じ。

とまぁなんやかんや言いつつ、細かいツッコミどころを頭の片隅にでも避けておけたとしたら、フツーにちゃんと楽しめる内容。例えばエディ・マーフィとアーセニオ・ホールが相変わらず何役もこなしてるのは笑えるし、その演じてる人物それぞれが設定的にしっかり年を取ってるあたりもおもしろい。旧キャストたちの軽快な掛け合いも言わずもがな、ずっと見てられる。あとセットや装飾なんかは前作にも増して華やか、そして歌や踊りなんかはより現代的になってたりもして。てか前述したように、やっぱりキャストの再集結の図が素晴らしい。ここまで年月を経ているにも関わらず、その世界観を全くと言っていいほど崩さずに戻ってくる続編というのはそうそうない気がする。前作が好みだった人は見る価値ありあり。
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