たむたむ

浅草キッドのたむたむのレビュー・感想・評価

浅草キッド(2021年製作の映画)
4.1
「笑われるんじゃねぇぞ。笑わせるんだよ。」

柳楽優弥の成り切りっぷりを見たくて鑑賞。
これも一時期かなり話題になってましたよねぇ。
言わずもがな、80年代に一世を風靡したのち、今なお活躍し続ける「ビートたけし」の誕生秘話。

ちょ…冒頭から度肝を抜かれました。ホントに柳楽くんですか?マジですか?もちろん見た目は特殊メイクなんだけど、細かい仕草や声色まで、余りにソックリで驚きました。。(°_°)
普段から物真似をしていて身体に沁み込んでいるならまだしも、役作りであそこまで自然にできるものなの?まさに憑依。さすが!の一言。

フランス座で座長を務めていた、師匠の深見さんが凄く粋な人ですね。芸人であることに誇りを持っていて、「芸人だよバカ野郎。」のキメ台詞すらカッコいい。憧れてしまうのも分かる。もし別の人の元で下積みを経験していたとしたら、「世界のキタノ」は生まれていなかったかも知れないなぁ。
本作の魅力は、そんな頑固だけど人情に熱い昭和の男、深見千三郎を演じた大泉洋の存在も大きい。

浅草のストリップ小屋のエレベーターボーイだった普通の若者が、ゆくゆくは運転手付きのロールスロイスを乗り回すまでになるなんて、ホント絵に描いたような話ですよねぇ。

『ニュー・シネマ・パラダイス』を思わせる、ノスタルジックなラストがエモい。師弟愛にホロリとさせられ、爽やかな感動をくれる作品。
監督・劇団ひとり、なかなかやりおる。。

【鯨を食って、芸を磨け!】
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