ワンコ

偽りの隣人 ある諜報員の告白のワンコのレビュー・感想・評価

3.4
【ダメなものはダメ】

ストーリーは、金大中拉致監禁事件をモチーフにしたものだ。

金大中は日本で拉致された。

韓国の軍事独裁政権は、金大中のみならず、対立分子を海外で殺害するなど、今では到底考えられない暴挙を働いてきたと推察されている。

そして、それは、あらゆる民主化運動の弾圧にも繋がり、様々な映画にもなっている。

この物語はフィクションなのだけれど、こうした歴史を乗り越えた韓国の人たちにとっては、胸を締め付けられるような感覚になるのだろう。

(以下ネタバレ)

途中、お隣さん同士の屋上で、タバコをもらって吸う場面がある。

初めてで咳込んでしまう。

これと同じで、なんとか理解に努めようとしても、ダメなものはダメなのだ。

これがきっと政治信条としての答えなのだ。

だから、身を賭して闘わなくてはならないのだ。

ところで、この作品、最近は、なりを潜めていたように思っていた、韓国映画にありがちな、状況を掻き乱すキャラが登場して、なんか嬉しくなった。

たまには、社会派サスペンスなんだけど、所々コメディみたいなのは悪くないと思う。
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