吉

ジプシーの吉のネタバレレビュー・内容・結末

ジプシー(1962年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

overtureが好きで、音楽から先に入ってあとから映像を履修しました。あと今やってる大竹しのぶの舞台を観るつもりなのでその予習として。

まーーーひどい親です。こんな人がいてもいいし、こんな人もいるだろうけど、こんな親は勘弁ですね。自分のために生きていて、とにかく自分がいちばんだった。子供のためと言いながらも、どこまでも自分のための人生を周囲を巻き込んで送る面倒な近寄りたくない女性の話。

今がいちばん幸せと言ったルイーズも、ほんとにそれは自分で選んだ幸せなのかい?と話したらルイーズが可哀想すぎるなと思うくらいに巻き込まれ具合がハンパないお姉ちゃん。逃げ出した妹はまだよかった。

とにかく鬱陶しい、めんどくさい。そんな女性だけど、あの時代を自分の力でパワフルに生き延びようとした、そのバイタリティは素晴らしい。人を巻き込もうとしても巻き込めないこともあるので、ナチュラルに巻き込んでいけるのはこの人の魅力でもあるのだろう。

最後に舞台でひとりで歌うシーン、これはちょっとシビれました。いやいや勝手なことばっかやってんじゃねーよという気持ちはあれど、なんとしてでも掴み取ってやる、という気概はある意味見習いたいところではありますね。
吉