生きてる積もりがほんとは死んでいました、というギミックの使い方と、説明台詞を用いない断片の集積で全体像を浮かび上がらせる話法とで以て、受け手の興味を結末まで持続させておいての。
フィクションらしい飛躍、それはもしかしたら空を飛ぶ夢を語る大人が登場人物の中にいたらその時点で現実味がないと斬って捨てるような手合いを怒らせる類いの演出、で以て多幸感と興奮をもたらして呉れる、俺の好きな松居大悟作品はやっぱこっち、と言いたくなる出来で御座いましたよね。
だってもう俺たち知ってんじゃん、生きてる積もりがほんとは死んでいた人物が登場したなら物語がどんな展開を見せ結末をどうするかなんて、もう俺たち分かってんじゃん、青春の蹉跌を乗り越える方法なんて。
だとすりゃ演出と細部に注目がいく訳で、そこんところの満足度はあたしにゃ高く感じられましたよね。
死に方にしても彼らに因縁付けたくなるところを全く外している点も好印象でしたよね。
最高。