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時の面影のkuuのレビュー・感想・評価

時の面影(2021年製作の映画)
4.0
舟+自転車+発掘+船+望遠鏡◎



原題:"The Dig"
原作:"The Dig"ジョン・プレストン著

学位や肩書を持たない発掘家が7世紀のアングロサクソン時代の遺跡を発見するお話です✨

実話をもとに作られているとは驚きです。第二次世界大戦が始まる1939年の出来事です。
発掘された船葬墓は「サットン・フー」と呼ばれイギリスで最も有名な考古遺跡なのだそうです。
出土品はロンドンの大英博物館に展示され、長い時を経て現在は発掘者バジル・ブラウンらの名も記されているらしいです。

レイフ・ファインズ演ずるバジル・ブラウンが真摯に考古学に向き合い寡黙に発掘作業に向き合う姿に感動しました。
キャリー・マリガンとリリー・ジェームズなど嬉しいキャスティングも魅力あります😍

発掘作業を見ているだけでワクワクしてしまいました!人の墓を掘り起こすというタブーと埋葬品が長い時を経て目の前に現れる喜び…禁断の実をかじるイヴになったような気分を味わいながら鑑賞しました。
一度でいいから発掘のアルバイトをしてみたいと思ったことがありますが…過酷な現場のリアルな声を人づてに聞いて諦めました💦ヘタレなので無理です😅

この世紀の大発見の面白さとは別に人間関係の描写に興味を持ちました。
人によってはこの部分が要らないと思うかも知れません。
未亡人の苦しみ…病に侵される苦しみ・悩み…母としての思い…子供の思い…夫婦の絆とすれ違い…秘かでもどかしい恋愛感情…時として胸が熱くなり…時として胸が痛くなりました。
そして権力についての描写も良かったです。学歴や地位による差別…この遺跡から伝わる豊かさとそれとは対比的なバイキングそのものの偉大なる国のやり方…なかなかシニカルで感銘を受けました。

母と息子の思いと船葬墓でのシーンは泣いてしまいました😭💕

しらすごはんさん、素敵な作品でした😊ベオウルフのラストが目に浮かびました😆ご紹介ありがとうございました✨
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