千里

キャラクターの千里のネタバレレビュー・内容・結末

キャラクター(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

トレイラーに惹かれて観賞。物語自体には特別新鮮味はなくとも、惹かれる設定一つと魅力的なキャラクターが居ればちゃんと面白くなるという、まさに本作の主人公山城が作中で描く「34」と対比構造として成立させてる見事な作りの映画だった。

「キャラクター」というタイトル通り、主要人物からモブキャラ(主に被害者たち)まで、ちゃんと登場人物に"生"が感じられる見せ方の上手さが際立っていたように思う。

主に被害に遭う幸せな4人家族が本当に幸せそうに見えるところから、直接の描写がなくとも残酷な目に遭った後の無惨な姿を対比的に見せる見せ方。大して描写もないはずのモブキャラたちなのに本当に勘弁してくれと思わされる程可哀想に見せるの上手すぎ。

勿論主要人物の見せ方に関しても見事で、特に小栗旬さん演じる清田。ヤンチャな生い立ちながらも心優しい優しい刑事さんが、悲惨な末路を辿る瞬間の怖さ、そしてその後の葬式で一瞬だけ映る祖母の存在。瞬間的な見せ方なのにこんなにも悲しさを感じさせるの凄いなって。

良いエンタメスリラーだった!
千里

千里