CRASH

キャラクターのCRASHのネタバレレビュー・内容・結末

キャラクター(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

キャラクターと殺人に魅せられた漫画家✖殺人鬼の共作
キャラクター
清田(小栗旬)
山城圭吾(菅田将暉)
両角 (fukase)ダガー
かーーなり好みドンピシャなサイコスリラーだった!!この作品は観客の期待を裏切るどんでん返し系というより期待通りにしてくれる爽快感を楽しむ作品だと思ってる。これだけは言いたい、fukaseさんの演技力に不安に思ってる人もいると思うけど、全然良かった!私も何ならネガティブイメージもってたけど、大仰なヒャッハー系とかで浮くとかでもなくちゃんと両角の喜怒哀楽を表現しつつ神出鬼没なヤベー奴感でてた!
グロもめちゃ好みな度合いでちゃんと見れた。部位破壊やえぐってる生々しさは無く、切り傷で痛めつけられてる感じで痛々しさや血の量はすごいけどそこまでグロくない。
編集室のダガーのぬいぐるみがあったり、街中の広告でこういう漫画ありそう感すごいし、帰ったらただいまって言ったり殺人の大変だ、って愚痴ったり、両角のキャラが可愛い。壁画はfukaseさんの自作らしいメンタリストの犯人思い出した。小栗旬さんが演じる清田はBORDERやミュージアムを彷彿とさせてカッコ良かった。
⚠以下ネタバレと考えたこと⚠
最後の両角と山城との対峙でマンガとの構図がで立ち位置が入替って、ダガーの位置に山城が重なるのが鳥肌立ってヤバかった!!この二人を対として描いてるんだなと感じた。
両角が車の家族との会話で「3人や5人じゃダメなんです。幸せな家族と言えばやっぱり4人ですよね。」というセリフ最初は漫画を忠実に再現する為か?と思ったけど両角なりの理由があってこだわりのある殺人鬼なのが良かった。

個人的に両角は自分がそうでなかった為に幸せな家族に執着してて殺人を犯してる訳であって殺人自体を目的としてないのかな?と思った。
特に、殺害方法で最初の食卓を囲んで椅子に縛り付けた一家と車のハンドルを握った状態にロープで縛り付けられた一家は生前の両角が見た幸せな家族の一家団欒を再現するためで、リビングのソファで殺された一家は寝転ばせるだけでいいから縛り付けなかった(多分)のかなと思った。
山城が売れてもガード下の庶民的な店で飲んでる所に売れる前から山城の本質は変わってないんだな、と安心するし、山城は実際会った殺人鬼をモデルに漫画を描いちゃうっていう並外れた漫画への執着は両角みたいな部分も持ってて、だけど漫画のヒーローの様な正義を信じる清田的な側面も持ってるのが面白い。
山城は最初に幸せそうな家庭の資料欲しいって両角と同じ家を選ぶ辺り感性似てる所あるんだろうなぁ(偶然だろうけど)部屋もたくさんの風景写真を壁に貼り付けて大きな絵(山城はタガーのバストアップ絵、両角はニコちゃんの壁画)飾ってたり…。

両角が帰宅するシーンで辺見の事件のスクラップも混じってたり、飲み屋で会ったときに清田の名刺と容姿を確認したり伏線がちゃんとしてて最高だった。 

よく漫画家が自分のキャラを子供に形容したりするけど、戸籍もちゃんとした名前もない両角にとってはそりゃタガーという魅力的な人気キャラクターにしてもらって自分を忠実にモデルにしてくれたら信者になるし、言わば山城は両角にとって生みの親なんだなぁ。

2回目も観に行きたい。
CRASH

CRASH