Violet

キャラクターのVioletのレビュー・感想・評価

キャラクター(2021年製作の映画)
4.1
見てきました!怖かったです!痛かったです!!わたしは鑑賞当日にいい歳してFukaseくんが家族を襲う悪夢を見たせいでAM4:00に飛び起きてギンギンに目が覚めてしまいその後まったく眠れずに朝を迎えました。そのくらい怖かったです。

▼キャスティング
全員よかった。菅田将暉はもちろんのことFukaseくんの不気味さが尋常じゃなかったし小栗旬はかっこよかったし中村獅童は良い味出してたし、あとわたしは高畑充希ちゃんの声がとにかく好きなので癒されていた。わたしも高畑充希ちゃんに「なんか飲む?」って聞かれたい...。
菅田将暉の表情の演技はやっぱり引き込まれる!

✂︎--以下ネタバレ-------


























▼小道具
両角の部屋にあったスマイルの絵画はすべてFukaseくんが実際に描いた作品。
元々は、Fukaseくんが役作りで描いていた小さな絵を監督が気に入ったところから始まって、もっと大きいサイズで描いてほしいとの要望にFukaseくんが応えた結果2M四方のサイズの作品となったらしい。絵も描けちゃうのね...。

あとは作中で圭吾が描くスケッチが美しすぎた。

▼タイトル『キャラクター』
『キャラクター』はもちろん「漫画のキャラクター」を意味しているが、他にも「アイデンティティ」「個性」の意味も表すダブルネーミングとなっている。
「結局俺は普通のやつだったんすよ」と圭吾が語るシーンがあるが、「普通」ってなんだ?
「普通のやつ」だと「優しすぎるから悪い奴の気持ちが考えられない」と評価されていた圭吾はしかし、ダガーにとどめを刺すときには顔つきが変わったのだ。まるで殺人を楽しんでいるかのようなあの表情。(菅田将暉じょうず)
ラストシーンで両角が「僕って誰なんですか?」と裁判官に聞くシーンでは両角の顔と病室で眠るの圭吾の姿とが重なる。
圭吾は実際には殺人は犯していないが、自身の描く漫画によって多くの家族が犠牲となった。そして実際に両角を嬉々として殺そうとした。圭吾も自身に問いかけているのだ。「俺は一体誰なんだ?」と。

▼殺人の動機
よくわからないサイコパス野郎の話じゃなくて両角や辺見にはそれぞれのバックグラウンドがあったのがよかった。
それにしても辺見はただのモブ的な存在かと思ったらまさかの両角と組んでてびっくりしたあ。2人は同郷で「4人家族を幸福単位とした宗教コミュニティ・九條村」の出身であり、4人家族に対して計り知れない恨みと羨望を抱いていた。

きっとこの後に夏美が殺されてしまうのだろうと予想されるめちゃくちゃ胸糞悪いバッドエンドだったけれど、余韻を残す効果は抜群だったし、エンドクレジットの楽曲も作品とマッチしていて最後の最後まで映画『キャラクター』の世界に没頭してしまった。映画館で見て良かった!
Violet

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