才能と実力に溢れているがパンチドランカーの東出昌大、ボクシングへの熱意はあるが負けてばかりのロートル松山ケンイチ、ただ上辺だけ教わろうとボクシングを始めた柄本時生、三者三様の生き様をストイックに清々しく描いた佳作。惹き込まれてしまった。
人柄がとにかく良い役の松山ケンイチは相変わらずその自然な台詞回しと立ち振る舞いが素晴らしいし、自分の肉体的限界を認めたくない熱い男をまた役柄にピタリの東出昌大が良いし、あまりにもバカっぽい理由でボクサーになってしまう柄本時生も…ただしここまでバカに描くのはかなりやり過ぎに感じたが。
東出昌大の彼女役で芯の強い女性を演じる木村文乃もまた良いんですよ。
これはストーリー自体はありきたりな青春物で陳腐なんだが、日本の実力ある中堅俳優たちの演技で魅せるので、結構好きな映画だなァ。