福福吉吉

BLUE/ブルーの福福吉吉のレビュー・感想・評価

BLUE/ブルー(2021年製作の映画)
4.0
◆あらすじ◆
プロボクサーの瓜田(松山ケンイチ)は誰よりもボクシングが好きでひたむきに努力を重ねても負けが続いていた。一方、瓜田の後輩の小川(東出昌大)は勝利を重ね、日本タイトルを目前にしていた。また、小川は瓜田の幼馴染の千佳(木村文乃)と恋人関係にあり、瓜田が欲しいものを全て小川は持っていた。そんなある日、楢崎という青年(柄本時生)がジムにやってくる。

◆感想◆
ボクシングが好きだけど勝てないボクサー、勝ち続ける後輩ボクサー、変わった理由でボクシングを始める新人ボクサーの3人のそれぞれの思いを描いた作品であり、様々な理由で勝利を求める姿と思い通りにいかない人生の辛さ、それでも変わらないボクシングへの思いなど多くの内容が詰め込まれていて、これ以上ないほどリアルな人生が描かれた作品だと思います。

瓜田はボクシングが誰よりも好きで努力家でジムでも他の人に親切で温厚、と人格としては最高の人物なのですが、ボクシングの試合で勝つことができません。負けでも平気なふりして他の人を気を遣う姿は観ていて辛かったです。

小川は瓜田に誘われてボクシングを始めたのですが、持ち前の才能で勝ち続けて日本タイトルへ挑戦するまでになります。また、瓜田の幼馴染の千佳とも恋人関係にあり、順風満帆な姿が最初に描かれますが、次第にパンチドランカーの症状が出てきて、彼の進む先に暗雲が立ち込めます。瓜田と対照的なキャラクターとして描かれていましたが、嫌悪を抱くキャラクターになっておらず、観ていて応援したくなるキャラクターとなっていました。

楢崎はボクシングを習ってカッコつけたいだけの青年で、スパーリングなど実践的なものを避けるという変わり者として最初は描かれていましたが、瓜田の熱心な指導からプロテストに合格し、プロボクサーになります。本作で一番、成長するキャラクターとなっており、最初と最後のギャップが楽しいです。

ストーリーとして勝てない瓜田、パンチドランカーの症状に悩まされる小川、ジムを通ううちにボクシングに本気になっていく楢崎という形で三者三様の姿が描かれていくのですが、瓜田の存在が他の2人にも少なからず影響を与えていて、最後までどうなるか分からず楽しめました。

ラストはそれでもボクシングが好きな3人の姿があって、勝ち負けじゃない何かを感じさせるものがあり、満足できました。

最後まで3人のボクサーを応援したくなる作品となっていて、とても面白かったです。人生上手くいかないこともあるけど、やっぱり前に進むしかないんだなあと当たり前のことを強く感じました。

鑑賞日:2025年2月13日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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