2行に満たない紹介文で面白い映画だとわかるU-NEXT独占配信作。結果、めちゃくちゃ面白かった。よくできた曲のように展開していくストーリーが小気味いい。ハードボイルド映画におかしな言い方かもしれないけど、終始ニヤニヤしながら観てしまった。
冴えない親父を演出するべくの日常シーンは今風。サクサクしてて好みだった。観たいのはそこじゃないしいいと思う。
最初の大暴れであるバスのシーンはやたらとやけっぱちなアクションだなーと感じた。最後のストローのシーンなんかはもうその究極で。主人公の心境からしたらそうならざるを得なかったのだとしてもやりすぎ感が否めな…………けどそれが逆に気持ちがいいと言いますか。ただ偶然居合わせただけなのに、あんなふうに殺されるか半殺しかにされるなんてチンピラがまあ憐れ。このレビューを書くのにシーンを思い出してみたけど、あそこまでされるほどのことまだやってなかったような気が。
主人公も主人公で引きがいい。ロシアンマフィアの弟なんてなかなか出会えないんじゃないかと思うし、よく今まで隠居生活できてたなと思ってしまう……けどここは映画の世界。ロシアンマフィアのユリアンとの構図が早くもできあがるサクサク感は実に視聴者想い。
ユリアンのキレキャラっぷりも素晴らしい。悪役は悪役らしくないと盛り上がりに欠けるのでユリアンは大合格。歌のシーンもね、あれ誰得なのよ笑
そうは言ってもルイ・アームストロングの歌声が聴こえたあたりからの駆け上がりっぷりは見事。爺さんも凄いわ。この子にしてこの親ありみたいなやつ大好き。工場での最終決戦もこの主人公なら敵を誘き寄せたところで爆弾か何かで一網打尽にもできたはずなのに、むしゃくしゃするから一人ずつぶっ殺してやるみたいな殺人狂にも見えてしまうところが不謹慎な話めちゃくちゃ気持ちよかった。ガンアクションも独特。ショットガンで3人まとめて撃ち殺したり、階段にしかけた手榴弾、背面ノールック撃ちなんてマジかよ笑。なんと言っても盾バリア爆弾は爆笑必須。むしゃくしゃしてる時なんかに最適な映画なんじゃないかと思います。
最後に地下室って言った時の嫁さんの顔が怖い笑。命がけで守った家族との関係もうまくいきそうでよかった。でもまたなんか引いてきそうだけど笑
主人公に情報をくれた人だったり、理髪店だったり、気になる存在もあるし、続編が出ても面白いと思うけどどうなんでしょう。
