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ハウス・オブ・グッチのFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

亡霊の如く人に権力が移り変わり、家に人が取り憑く話。興味深いことにファッションにおける創造や流行はほぼ出てない。片側ががら空きな結婚式に象徴される半分欠けることが徐々に破滅へ向かっていくのがスリリングだった。

視線のやりとり、ガラス越しのノックの反復や窓の明け閉めの古典的スタイル。特にガラスの「向こう側」に行くことによる断絶はかなり痺れる。しかし冒頭に返ってくる時系列のズレや揺れる画面等々少し古く5~10年前のスタイルを思わせる。ロングショットによる場面の転換を省いたり、ジャンプカット気味な画面の繋ぎもぎこちない。アダムドライバーの肌は見せない割に女性陣は脱がせるマッチョなラブシーンも少し古い気が。画面設計や小道具は監督の作風からして安心。ドナ・サマーからボウイまでガンガンかかる音楽は悪くない。

主演二人も悪くはないがアルパチーノがとにかくよかった。彼が日本語を話す所をみられるとは。「ゴッドファーザー」や「スカーフェイス」を思わせる所作(この作品が描いた時期と見事に重なる)が強く印象に残った。
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