Koya

モーリタニアン 黒塗りの記録のKoyaのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

わずかな疑いで9.11の首謀者として拘留された男。裁判もなしに長期勾留され、無実を主張するその男を弁護士として共に国と闘うことを決意した女。国は威信をかけてその男を死刑にしようと躍起になり、検察として友人を9.11で失った男を任命する。両者真相を究明する過程で、国の常軌を逸した自白強要の存在を知る。国という巨大組織の運営のためには生贄もやむなしとする国の姿勢に嫌気をさした男は検察を辞退。裁判では男の無罪が認められ、帰国の許可が降りるも、その後7年間にも渡り不当に勾留される。過ちを認めたら謝罪するという人として基本的な事が、国家となるとできなくなる。実に残念な話だ。

国家の運営のためには一個人の権利など皆無である。ただ救いはこの現実をこのような映画として人々に認知させる環境はあるということだ。
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