Yoshishun

劇場編集版 かくしごと ―ひめごとはなんですか―のYoshishunのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

"家族との思い出に、色を付けてくれ"


『さよなら絶望先生』久米田康治が2016~2020年まで連載していた同名コミックが原作のアニメ『かくしごと』。昨年原作に先行してTVシリーズにて完結した作品だが、本作はそんなTVシリーズでは深く描かれなかった母とのエピソード等新規カットを含めた総集編となっている。

レビューについては、アニメ版Filmarksでも記載してるので、本作については新規カットおよび総集編としてレビューしていく。

密かに人気のある下ネタ漫画家・後藤可久士は、小学生の娘・姫と暮らしている。姫には自分の仕事を知られたくない可久士はあの手この手で隠し通していくが……。

TVシリーズの最終回では、少年ジャンプに押し潰され記憶障害を負っていた可久士が意識と記憶を取り戻し、ほんの少しの日常を経て終わっていた。原作よりも先に完結したため、大まかな展開は同じにしても感じ方は少し異なるものとなっていた。TVシリーズの最終回では少し母と姫との繋がりが感じにくい結末であった。

そのため、本作はちゃんと原作のラストカットが追加され、可久士、姫、そして母との訪れるはずだったモノクロームの思い出に色の付く結末となっている。TVシリーズでは12話を費やしたものの、本作は79分という尺に凝縮されているため、母という存在がより大きなものとして描かれている。

しかしあくまで総集編という意味合いが強いため、劇場版としての魅力は皆無。TVシリーズの新担当者、サイン会、温泉旅館等のエピソードを繋げただけの作品のため、TVシリーズと何ら変わり無い。そのため、評価としてはこのくらいが妥当だろう。楽しみにしていた新規カットも1分程のもののため、肩透かしであった。
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