Nish

竜とそばかすの姫のNishのネタバレレビュー・内容・結末

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます


★よかった
ミレパの曲
中村佳穂の歌
アンリアレイジの衣装
冒頭のベルのライブシーン

★うーーーん
①アニメ表現の話
現実世界⇄異世界パラレルを「影のないバケツ塗り2Dアニメーション」っていう統一された表現のもと行き来する不思議な雰囲気こそが細田ワールドの醍醐味だと思っているので、今回Uの世界がフル3Dで描かれてしまったことが…なんか…そっち行くので良いんだっけ?と思っちゃった。そもそも論
ディズニー、ピクサーになりたいわけではなかろうに…
試してみたかったのかな

ちなみにbellのデザイン?モデリング?をディズニー出身の人にやらせたっぽいけど、明らかディズニープリンセスすぎて「これ、怒られないんか?」と思ってしまった。表情の動きがほぼアナ雪

②テーマの話
観た人の大半が「結局何が言いたかったのかわからなかった」と言っていて、その理由がわかった
テーマが多すぎる+やりたい手法全部のせ
で、何を一番に伝えたいのか読み取れない

1.サイバー美女と野獣(ラブストーリー)がやりたいのか
2.田舎が舞台の青春群像劇をやりたいのか
3.少女の自己実現成長譚がやりたいのか
4.恵まれない境遇に立ち向かう勇気の話がしたいのか
などなど

私も最後までわからなかった
っていうか1.だけ浮いてた
美女と野獣のラブストーリー要素がものすごいノイズになってしまった
ベルが野獣を愛するようになった理由がわからない、必然性がない
「サイバー世界で美女と野獣がやりたいんだ!」って意気込みだけめちゃくちゃ感じた
そしてオマージュどころでないパクリスレスレの構図やモチーフが乱発してヒヤヒヤする

③個人的ドドド地雷要素
一つ目、都合よくデザインされた架空の自分からの脱却、本来の自分を認め愛して曝け出す勇気を持つことこそがでっかいテーマのはずなのに、 
ようやく勇気を出し、アバターを脱ぎ捨て「すず」として歌ったあとに、またアバターを着せる演出は無いでしょう…!
伝えたかったことが台無しよ!

二つ目、致命傷、児童虐待を甘く見過ぎ
明らかな家庭内暴力事件に対して、子供1人で対処に向かわせるのはおかしいし、
極め付けはその後、児童虐待に対して「子供本人に立ち向かわせること」を是とする展開
これだけは絶対にダメだと思った
然るべき保護を受けさせるべき 被虐待児の14歳に「頑張って(暴力を振るう父に)立ち向かうよ」と言わせるのはあまりにグロテスク
「(大人が・社会が)守ってあげるから、もう戦わなくていいんだよ」って言ってあげてよ…
子供が見る映画だと思うと尚更許せなかった

類稀な映像美は確かにあるけど、この地雷要素を加味して総合的に見て★2でした
好きな人ごめん
Nish

Nish