にしや

竜とそばかすの姫のにしやのネタバレレビュー・内容・結末

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

鑑賞券もらったので見た。なんやかんや細田作品を劇場で見るのはじめてだ!

歌はよかった。
でもあんまり劇中でバンバン歌わないんだね。もっとガンガンライブするんかと思った。

全体的に話がとっちらかってるような。
やりたいことはわかるんだけど、もうちょっと主題を絞っていく必要があるのでは…と感じた

ライブのシーンにあまり躍動感がなくて驚いた。
ベルのキャラデザはディズニーでラプンツェルやアナ雪のキャラデザを手掛けたジン・キムなのに、それらの作品の歌唱シーンに比べると全然躍動感がない。まぁ日本人キャラだし…?そんなもんか…?でももっとカメラワークとかで躍動感出せたんじゃないかな…ちょっと期待してたので肩透かしだった。

50億人ユーザーがいるうち、ベルのライブを生で見るのは1~2億って思ったより規模小さいな!?と思った。
でもまぁYoutuberで食っていく場合は最低1万人以上の登録ユーザーがいれば…って話を聞いたことがあるので、そう考えればそんだけいれば十分か。

ベルが竜に惹かれる理由がわからんので、そこが気になってのめり込めなかった。
竜のお城でベルと会うくだり、そのまんまディズニーの「美女と野獣」やんけ!びっくりした。 ディズニーに許可とったか!?って心配になった。

中盤にあったしのぶくんへの告白疑惑ですず炎上!シーン、一瞬で炎上が片付くし、このシーンいるか?と思った。
(この後の竜の炎上との対比構造なんだろけど、炎上の危機感があまり真に迫ってこないので印象に残りにくい。)

るかちゃんが性悪美人じゃなくてよかった。普通にかわいいいい子で安心した。
ペギー・スーもなんやかんやええ子やん。

すず=ベルというのは最重要機密っていうわりに、結構まわりの人みんな知ってるのにズッコケた。
合唱団のおばちゃんたちもなんか影が薄いんだよな…キャラとしての交流が薄いからかなあ。 歌えないのに合唱団に入ってるのは何故なのか?母親の友人であるおばちゃんたちがすずが孤立しないように配慮して誘ったのか?とか、その辺掘り下げが欲しい。


「私たちが積み上げてきたものがなくなっちゃう!」
え?積み上げたものってあったっけ…?初登場ゲリラライブと2回目のライブぐらいじゃない?ってなった。
メガネちゃんは色々お膳立て頑張ってきたんだろうけど、すずがUの世界でのベルに対してこうしたい!って積極的なビジョンが見えなかったので、積み上げてきた感なかった。

素顔晒して歌ったのになんでまた外見ベルに戻ったの??ここはマジで謎だった。あのクジラもなんなんだ?

自分よりも他人の子供を優先して死んだ母親への確執がとれるシーンはいいんだけど、もうちょっと内面描写が欲しかったかなあ。
あまりすんなりリンクしなかった。

しのぶ君、キーキャラだけど影が薄い。便利キャラすぎないか?お母さん・すず・しのぶくんで絡んでる過去描写とかあればよかったかもね。
てかあれだけ背中を押すなら君も東京まで行きなさいな。虐待男のところに向かわせるのにすず一人で行かせるのが謎だ…誰かついていけよ!
東京で「どこ!?どこ!?」って家を探すシーンも、いや、せめてメガネの友達とかPC強いみたいだし遠隔で位置の特定手伝ってあげるとかそういう描写入れればいいのに…
みんなあんなに湧いてたのに、あとはすずにお任せ状態なのどうなんだ…。

お母さんが死んでからお父さんとすずはぎくしゃくしてるという設定だったけど、お父さんはコミュニケーションとろうとしてるのを、すずがずっと拒んでるようにしか見えなくてお父さん可哀想だなあと思った。

虐待してたお父さんは実業家かなんかなのか?最初から「母親がいなくても元気いっぱい!」って言ってるニュース映像とかあったけどあれはどういう立ち位置なのか…。
すずの気合に気負わされて引っ込んでいったけど、あのあとこの親子問題はどう解決したのか…ここ投げっぱなしなのがすごくモヤモヤ。
恵君は「立ち向かってみる」と言ってたけど、あの環境で弟を守り続けている時点で君は十分に立ち向かっているよ…と言ってあげたくなった。

「U」というめちゃめちゃ広い世界を舞台にしてるわりに、高知と東京という結構狭い範囲で物語が着地するのはなんか…スケール狭いというか、セカイ系っぽいなあと思った。

あと具体的にどこがと言うと思い出せないんだけど、細田監督作品のキャラってめっちゃ説明的な喋りするよなあっていうのが気になった。
アニメーションなんだし、そこの感情の機微は作画で伝えればいいんでないかい?ってシーンでも、嬉しい、悲しい、みたいなことをそのまま台詞にしちゃってて興覚めというか。
まぁこれは最近の作品ではありがちな傾向だけど…。

(「未来のミライ」や「バケモノの子」よりはマシだけど、でも微妙だなあ)と思ったけど、終了後、両隣に座ってたカップルが号泣しながら「よかったねえ!」って感想いいあってて、自分の感性が心配になった。
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